![]() |
||
![]() |
||
![]() |
||
『美術館ワンダーランド 夏の思いで』 exhibition view @豊科近代美術館 |
||
安曇野市の豊科近代美術館の学芸員、以倉新氏の企画による夏休み特別展に参加。美術館2階の一室に黄金の「日本の絵」の他、新作の大作(奈良⇔安曇野がテーマ)などを展示。中央の展示台には作家のメッセージとスカラベ、小屋などが並べられている。大人から子供まで幅広い年代に見て・感じてもらいたいとの意向から、アーティストトークやワークショップも開催。奈良からは三瀬が教鞭をとる学校の生徒有志が参加、地元の中学生との交流によってバスが塗り替えられた。 |
||
![]() |
||
![]() |
![]() |
|||
workshop view |
||
『豊科メモ』
今回の展覧会のために四度、奈良と豊科を往復した。 約400キロ、5時間の道のりで、地図上の県境はいくつも越えるが、それはただなだらかに続く道のりでしかなかった。 車窓を通り過ぎる街並、古い集落、山の稜線、河の流れ… 時と共に移り変わる風景は決して後戻りはできないが、豊科への到着と共にいつもひとつのロードムービーとして僕の心の中に蓄積されていく。
和紙に墨という画材は、その不可逆性や流動性においてロードムービーと相性がよい。 記憶の中の旅の風景を探っているつもりが、つい紙上の水の流れに身をまかせてしまい、そこにいつかどこかで見た風景が重なる。しかしそれもまた水の流れの奥底に消えてゆき、いつしか画面には重層的な記憶のみが積み重なっていく。 墨のおもしろいところは、その積み重なりが単純なレイヤー構造でなく、浸透による複雑な奥行きをみせるというところだろう。 僕はそこに大きな可能性を感じているし、生々しい自分という存在にもしっくりくる表現法だと感じている。
僕が奈良から辿り着いたそこは豊科であり、長野であり、日本であり、そして自分自身であったのかもしれない。
2006年 夏 三瀬夏之介 |
||